出場するだけで賞金500万円

 4大大会シングルス優勝賞金の約4億円のほかに、1回戦出場、つまり初戦敗退でも約500万円の賞金と報道されたことに驚いた。1990年ころはたしか80万円ほどだった。当時も凄いと羨ましく思った記憶がある。それから6倍にも膨らんだわけだ。

 しかし、テニス界全体の賞金が膨らんだわけではない、最下層のトーナメントであるフューチャーズ大会は賞金総額が1万5千$とこの20年間は変わっていない。つまり、トップ選手の出る大会の賞金は大きく上がった。最下層は変わらない。そして、日本国内の賞金トーナメントはほぼなくなった。1990年頃までは、日本国内で賞金総額1000万円のトーナメントが複数あった。そこで日本のプロ選手が生活していくことができた。USオープンに出なくても大丈夫だったわけだ。

 テニス界はグローバル化された。日本国内だけでは食べていけなくなった。私の家の近くの本屋がつぶれた。アマゾンなどとの競争に敗れたのだろう。同じことが起きている。