考えないこと

 「”何も考えないでプレーせよ!”とアドバイスされたことは一生の宝物です」卒業生に言われたことがる。

 テニスゲームにおいて、”よく考えてプレーする”ことを助言する人が多いようだ。何せ人間は大脳が発達し、万物の霊長と言われるからだ。プレー時に作戦は必要だし、頭を使うことがスマートなプレーで勝利をもたらすと考えやすい。

 ところが、ヒトは動物であり、小脳も発達している。小脳は無意識で運動をコントロールする。その情報処理能力は意識時(大脳)に比べて20万倍と聞いたことがある。

 例えば、階段を駆け下りるときや、自転車で人込みを疾走するとき、何も考えていませんね。右足をこうしよう、相手が右にきたときはああしよう、など全く考えていません。考えると動作がぎこちなくなり、うまくいきません。

 体は頭がいい(小脳のおかげ)ので任せればいいのですね。