矜持!、大会主催者の

 同僚のNさんが年末にウィーンに旅をした。

 「瀧澤さんはかつてウィーンのテニス大会に出たことがあるそうですね。どこでしたか?」

 「場所は忘れました。どこか山の上のテニスコートでした。」

 「どんな人が出ていたのですか?」

 よくぞ聞いてくれました。30年前に私はサテライト大会(現フューチャーズ大会、ITFワールドツアーという)に出た。この大会はプロ大会の最底辺に位置する、入門の大会だ。つまりATPポイントを獲得するための最初の大会という位置づけだ。当然にポイントのない夢見る選手たちが多数集まる。予選参加希望者であふれかえる。しかし、主催者は期限内に予選を終えて、本戦をスタートさせねばならない。予選サイズをどうするか、主催者の姿勢が如実に表れる。

 予選オープン、つまり誰でも参加できる大会があった。ユーゴスラビア(現クロアチア)の大会には256人集まった。カナダの大会には192人集まった。運営は大変で深夜まで試合をやっていた。ホテルの夕食後に試合に出かけた。終了は23時だった。私も参加することができた。当時、日本の同様の大会は予選サイズは32だった。(次回に続く)