偶然の発見

 「10分待ってくださいね。」

 友人のTさんとのオンラインで将棋対局中のときだ。自営業のTさんにお客さんがやってきたらしい。あたりまえだが、仕事優先なので待つことになった。将棋はいつものようにねじり合いの力戦となっている。15分くらい待っただろうか。他にやることがなく、ずっと盤面に向かっていた。考えざるをえなかった。結果、いい手を指すことができ、快勝した。ふだんは待ちきれずにどんどん指し、負けることが多かった。

 子供の頃からせっかちだった。小学生のときの夏の暑い日、道路に飛び出して車に轢かれた。アイスクリームを買いにでたが、車がいっこうに途切れなかった。待ちきれなかった。

 偶然の出来事、Tさんのお客さんに感謝しています。