「フォーム通りに打とうとするとうまくいかないのです」中3のT君はこの春に入部したビギナーで奮闘している。そういえば今日のゲームで空振りがあった。
「フォーム通りに打つことは無理だよ。相手の打ったボールはいろいろだし、イレギュラーバウンドもあるし、風で変化することもある。いつも緊急事態なんだ。」
「ではどうすればいいのですか?」
「感触を大切にするんだ。ボールが見えて、ボールをヒットできる感覚だね。結果としてフォームができていく。決まったフォーム通りに打つのでなく、ボールに合わせてラケットを使うのだよ。例えていうと、空手競技の型ではなく、組手だよ。相手のいない型では、自分の思うように演技できる。相手のいる組手ではそうはいかないよね。」