直感

 「考えるというよりも直感で動くのです」オリンピックメダリストのトーク番組で柔道の阿部兄妹がこんなように話していた。

 テニス競技においてはどうしたらよいだろうか?

 サーブ&ボレーの名手でデビスカップ日本代表の鈴木貴男のプレーを見ていたときだった。レシーブは一瞬でやってくる。どこにくるかわからない。考えてプレーする時間がないのだ。練習はどうしたらいいだろうか。まずは、フォア側に返球された高いボール、次は低いボール、そしてバック側・・・。こんなパターン練習は実戦的ではない。実戦ではどこにどんなボールがくるかわからないからだ。グラウンドストロークの場合は、やや時間があるようだが、状況は同じで全ての返球を考えて対処している時間がない。考えてプレーすることは知性をもった人間の長所といえる。しかし、実際には全ての場合を考えてプレーしている時間がないのだ。

  直感でプレーするのだ。言い換えると、考えないでプレーするのだ。考えてプレーすることは、大脳を使うことでいちいち判断するのでミスにつながる。考えないでプレーすることは、小脳を使うことで自動的に体が動く。

 例えると、自転車に乗って人ごみの中を走り抜けるとき、階段を駆け下りるとき、かな。何も考えないで、体に任せているとスムースに運動できるね。