「シングルスポールが立てられないので困りました」同僚のM君は嘆いていた。ネットポストを入れる穴にどうやら砂がたまってポストが高くなったらしい。
「立てられないのならば不要ということでしょう」
そもそもテニスネットに絶対的な正しい高さは存在しない。なぜならコートには水はけをよくするための傾斜が認められているからだ。例えば、ネットのある中央部分は後方のベースラインの部分よりも5cm高くてもよい。つまり、ネットの高さはコートによって異なるのだ。相手と自分にとって同条件であればそれで構わない。
スペインの国際大会ではシングルスポールを出さなかった。面倒くさかったのだろう。オーストラリアのジュニア大会ではセンターベルトでネットを留めてなかった。センターベルトがなかったのだろう。
モロッコの大会では照明が暗いと片方のプレイヤーが言い出し、試合は翌日に延期となるかと思われた。そのとき、もう片方のプレーヤーは、”サイドチェンジ不要。俺はずっとこの暗いサイドでプレーする”とレフェリーに伝え、観客は拍手し、試合は続けられた。
まあ、ネットが張ってあり、ラインがひいてあればそれでいいのですね。