勤務先の中学で時間があったので、将棋部の活動に参加した。テニス部と兼部しているS君がいた。
「対局しよう。」
「勘弁してください。今日は観ているだけなんです。」
「観るよりはやる方が面白いだろう。」
「久しぶりなんです。」
「たとえ負けてもいいじゃないか。羽生9段は公式戦で600敗しているぞ。負けを恐れてチャレンジしないことは残念なじゃないか。そんなことでは棋力が上がらないぞ。」
「わかりました。」
大接戦となった。どちらが勝ってもおかしくなかった。チャレンジすること!、実は自分に言いかせていたのだろう。