「交代時間になっても彼らはテニスをやめなくて困っています。」
勤務先の学園では、中学男子部の活動後に、高校女子の活動となる。ところが、時間になっても彼らはすぐにやめない。また、コートに散乱しているボールは拾わない、コートブラシかけは適当で間が開く、など、いわゆる自分勝手、自己中心的なのだ。
生物学の本を読んで理由はわかった。”自己中心的でなければ生きていけないほど弱い存在”、だからだ。赤ん坊がそうだ。自分の生存に精一杯にて、他者や周りをおもんばかる余裕などない。あたりかまわす、おぎゃーと泣き叫び、自己の欲求を満たし、何とか生きていく。
一方、欲望が満たされ、テニスをしているときは満面の笑みで大変に愛おしい。
そのうち大人になるのだろう。