「よろしくお願いします。」勤務先の中学テニスコートに新入部員がやってきた。彼らは集合場所まで駆けてやってきた。1年生と一目でわかる。目が輝いているのだ。目の中に星が見える。好きなものを視るときになるように、瞳孔が大きくなっている。
ボールを打つこと、テニスをすることにこのうえない喜びを感じているようだ。1球打つことに感動している。私もそうだった。50年近く前だが、先輩が出してくれたボールをコートに打ち返したことを今でも覚えている。テニスができるだけで幸せだった。
5月の爽やかな風とともに新入部員がやってきた。