失格騒動で思い出したこと

 フレンチオープンで加藤選手のペアが失格となった。どうやら対戦相手の抗議により主審の判定が覆ったようだ。思い出したことがあった。現役時代に国内、海外ツアーを回っていたときのことだ。”棄権でもなんでも勝ち上がって上の大会に進みたい”、といつも思っていた。最も確実に勝つ方法は棄権勝ちだ。ゲームをしなければ100%勝てる。

 勝つことを目的としてテニスをしている場合は棄権勝ちでも目的が達成される。勝つことが常に自己評価の基準となる。勝ったとしても、次に勝つことが新たな目標となる、負ければ目標を達成されない。いつも苦しかった。

 今はテニスをすること自体が目的となっている。市民大会で対戦相手がこないとがっかりする。テニスを楽しんでいるわけです。