ウィンブルドンの思い出(2)

 ついでに立ち寄ったウィンブルドン選手権に感激した私は、雑誌社に希望を伝えた。翌年にフレンチオープンとウィンブルドンを取材したい、と。T,tennisを発行する学習研究社は、飛行機代とホテル代ももってくれた。何という幸運なことだろう。

 取材のテーマは、トッププロはどのポイントで何をするか、にした。視点を絞って、スコアをつけてみた。フレンチオープンではどのポイントでドロップショットを打つか、など。ウィンブルドンではサウスポーのビッグサーバーと(名前を忘れてしまった)アンドレ・アガシのゲームを最初から最後まで視た。芝のウィンブルドンでならば、彼はアガシに勝てるチャンスがあった。彼のサーブはアガシを困らせた。ワイドがセンターか、それだけでも意味のあるデータがとれた。この試合は雨天中断があった。彼らのコーチはスコアをつけていて、きっとサービスのコースをアドバイスしていることに違いなかった。

 日本選手で記憶にあるのは松岡修造さんだった。1991年のことだった。