故郷の新潟県上越市に帰省した。そこで、テニスをしていたときに教えてもらったのが、”ノーフォーム、ノーグリップ”だった。ソフトテニスで日本代表コーチをしていた中條さんが言っていた。
10年ぐらいはわからなかった。フォームは必要ではないか、とテニス雑誌の分解写真をまねようとしていた。
20年ぐらいたつと実感した。相手が打ったボールが高かったり、低かったり、近かったり、遠かったりする。いわば非常事態の連続だから、フォームやグリップに固執してはならない。
さらに最近、つまり40年ぐらいたって理解し、実感できたことがある。フォームはそもそも固定されておらず、ある程度の振れ幅をもっているということ。
例えば、サーブのトスをあげるとする。風が吹いて曲がったり、太陽がまぶしくてトスを低くしたりする。また、気温や気圧、ボールの状態の違いで全く同じようにトスを上げることはそもそもできない。それでもサーブを成功させているわけだ。逆に、振れ幅のないフォームでは、微妙なトスの違いで結果は左右されてしまう。
実際にプロ野球の桑田投手のピッチングフォームは毎回かなり違うのに結果は同じ、だそうだ。
まとめ、全ての練習と同様に、球出し練習のときほど、フォームでなく、結果(コートのどこに返球できたか)に注目することだね。
参考:「体はゆく」文藝春秋 伊藤亜紗著