「サーブがあまり入らないので、トスを正確に上げるようにやってみます」T君はいった。千葉県中学新人団体戦があった。勤務先の中学テニス部員がダブルフォルトを連発する場面があったのだ。
「トスは正確に上がらないこともあるんだよ。風が吹くことはあるし、太陽が眩しいこともあるし。」
「ではどうすればいいのですか?」
「そのトスで何とかサーブを打ってコートに入れるのだよ。フォアハンドストロークも全く同じなんだ。イレギュラーバウンドはするし、思ったよりもボールが弾まなかったりするしね。
要は、フォームというのは正確無比である必要は全くなく、逆に正確無比であると、少しのずれがミスにつながってしまうのさ。ある程度のゆとりというか、遊び幅というか、そんな中で何とかコートに入れることを心掛けていくと、結果としてフォームができていくわけさ。フォームは結果であって、目的ではないのさ。」