波乱はいいこと?

 「第1シードが負けた。第2シードも負けた。番狂わせが多いな。」部員が口にした。勤務先の中学で部内戦を行った。前回の順位でシードをつけている。

 「前回は8月だったからもう3か月もたったよ。それに2年生以下のこのメンバーではまだ2回目だからね。」

 「シードが敗れると、波乱だとか、なんか起こってはいけないようなことが起こった感じがしますね。」

 「そうだね。私達生物は、秩序を求めているからね。宇宙にはエントロピー(乱雑さ)は絶えず増大していくという法則がある。簡単にいうと部屋はちらかっていき、汚くなるということさ。生物は絶えずそれに抗って掃除をし、細胞、あるいは個体として秩序を維持しているわけなんだ。」

 「では、波乱は悪いわけではないのですね。」

 「スポーツや、政治、企業など組織においてはレギュラーや役員が交代することによって活性化するんだ。そしてまた次の部内戦をやればいいんだ。」

 「なるほど、今回負けても次に頑張ればいいのですね。」