「風が好きな人はいますか?」勤務先の中学テニス部員に聞いてみた。誰も手を挙げなかった。
「風が得意な人はいますか?」何人かが怪訝な顔をした。
「風が強いならば、サーブのトスを低くすればいい。また、ボールが曲がってきたらラケットに当てて返せばいい。柔軟に対処すればいいのさ。フォーム通りに打つことがテニスゲームの優先事項ではないよね。ボールに合わせて相手コースに返すことが優先だよね。」
「なるほど。では風が得意ということは、対戦相手よりもより柔軟に対処できるということですね。」
「そうだよ。風に限らないよ。イレギュラーバウンドもあれば、ネットにあたって入るコードボールもある。テニスゲームは緊急事態の連続だからね。」