「ウワ、おっと、それ、キャッ、」と歓声をあげたのはキャッチボールをしたときだった。
勤務先の中学テニス部でビギナーの指導を担当している。練習後、早速ダブルスのゲームをした。サーブはなかなか入らないし、レシーブも当たらないことがある。ラリーが続かないのでと面白くなさそうだ。
「レシーブでね、ボールに向かっていくから当たらないのだよ。このキャッチボールのように自分が止まっていれば簡単にキャッチできるよね。」
彼らは簡単にキャッチした。そして、フェイントをかけても、視線をずらしてボールを投げても彼らはキャッチできた。
誤った思い込みがあったのだ。”ボールを打つのだから体ごと前へ行かねばならない”、と。
ボールをラケットでキャッチすることがテニスですよ。