エントロピーの法則(砂まきで思ったこと)

 勤務先の学校砂入り人工芝コートに砂をまいた。バケツで30杯だ。ずいぶんと撒いたようだが、8面あるのでたいした量ではなく、まだ足りない。砂が足りなくなると、足がつっかかって大きな怪我につながる。砂が多い分には滑って転んで擦り傷ができる程度だ。また、砂が少ないと人工芝の摩耗が激しくなってしまう。砂を撒くのは体とコートサーフェスの両方の保護のためだ。

 「先生、丁寧に砂を撒かなくていいのですか?」

 「ああ、おおざっぱにまけばいいよ。宇宙の大きな法則でエントロピー(乱雑さ)が増大する、というのがあるじゃないか。やがて、砂は散らばっていくのだよ。」

 砂に限らず、身の回りでもエントロピーは増大していく。体は老化し、部屋は散らかり、集団の秩序は次第に乱れていく。それを必死になってエネルギーを使って、秩序を守っていく。それが生きていくということらしい。

 活動時間に遅刻すること、休んでしまうこと、全てエントロピー増大の法則に従っているわけだ。この法則に抗うにはエネルギーが必要なわけだ。