「こんな強い相手じゃ、ゲームになりませんよ。」T君とS君は嘆いた。千葉県中学総体個人戦ダブルス、第1シードのペアと対戦した彼らはほとんどポイントをとれなかった。体にあたってしまうサーブを打たれた。
「たしかに強いね。今はゲームにならないね。でもね、続けていくとやがていいラリーができて、いいゲームになる日がきっとくるからね。」しかし、彼らの頭には入っていかなかったようだ。
自分がテニスを始めた高校1年生のときだった。地元で全国インターハイが開かれた。それを観にいった。団体戦第1シードの柳川高校は10連覇をなしとげた。高校テニス界の頂点にいた。スターばかりで輝いていた。一方、自分は初心者だった。
3年後、大学に進むとそこに柳川高校のシングルスナンバー2で出場していたKさんがいた。雲の上の人だった。しかし、1年後に部内戦の3セットマッチで勝つことができた。
そんなわけで、みんなも続けていればやがて勝てる日がくるのです。